12月議会に出された請願「食料の安全確保のため、国に「六ヶ所核燃再処理工場」稼動の見直しを求める意見書の提出を求める請願」の審議

政策総務委員会でのやりとり

議会開催中の12月10日は環境・政策総務の両委員会が午前中から開催された。
今回“生活クラブまち・東村山”から提出された「食料の安全確保のため、国に「六ヶ所核燃再処理工場」稼動の見直しを求める意見書の提出を求める請願」は政策総務委員会で審議された。
請願内容は以下

趣旨
 現在、日本の食料自給率はおよそ40%の状況にあります。また、中国産餃子、汚染米不正転売事件、中国乳製品メラミン混入事件など食の不安が増大するなか、食の安全が強く求められています。この中にあって、青森県「六ヶ所核燃再処理工場」による農・畜産・海産物の放射能汚染の危険が大きく叫ばれています。
 青森県・六ヶ所核燃再処理工場を本格稼働すれば「原発1年分の放射能を1日で放出」することに│なります。これは、使用済み核燃料を加工する際に発生する放射能を、閉じ込めなければならないものを、外へ出す仕組みにしているためです。放射能を含んだ排気は煙突から大気に、廃液は海へ放出しています。垂れ流しです。
放出の理由は1)無害化あるいは閉じ込めを民間事業者へ指導することが困難、経済的に不可能である。(08.1.16岩手県議会原子力安全・保安院参考人答弁)
2)放出した放射能は海水により希釈されるから問題がない、ということです。
これは大変な事で、放出した放射能は無害化されず、薄まるといってもゼロではなく、まして、海に流された放射能はプランクトンから始まる食物連鎖の中で蓄積され、魚介類に濃縮されます。
空へ放出した放射能も消えてなくならず、当然、地上に降り、土壌汚染を起こします。そして、この地域で汚染された農産物・海産物は食料として流通し私たちの食卓に並ぶことになります。
 現在はアクティブ試験中で、既に、これによる汚染が始まっており、本格稼働になれば、日本全国の原発から使用済み核燃料が集まり「原発1年分の放射能を毎日放出する」という事態になります。
 イギリスの「セラフイールド再処理工場」、フランスの「ラ・アーグ再処理工場」の周辺地域は深刻な放射能汚染にさらされており、子ども達の白血病の多発が報告されています。
また、私たちはアフガニスタン、イラクに投下された劣化ウラン弾による被爆の映像を見ています。劣化ウラン弾は原発で使われるウランの採掘時に出る大量の不要・ウラン鉱石から作られたもので、弱い放射能を含んだ爆弾が破裂し、放射能の微小なちりとなって拡散し、人の口に入り、内部被爆となって人を破壊します。この破壊は深刻で、遺伝子をも損傷し子孫に重大な影響を与えます。
放射能汚染の食品を食べれば内部被爆となります。これは過去にあったメチル水銀工場排水による水俣病と同じ構図です。
 六ヶ所核燃再処理工場はこれからさらに膨大な放射能を放出し続け、周辺地域農畜産物、そして青森県を通る親潮を汚染し三陸沿岸、宮城、福島・茨城沿岸の海産物をも汚染していくことになるでしょう。
 放射能に汚染された食物は、食べれば内部被爆であり、食べることはできません。
食料自給率を上げることは今ある農地や、漁場を維持し、さらに耕作地を増やしていくことが必要とされます。
 今豊かな食料の生産地である三陸の漁場、青森の農地だけにとどまらない汚染が懸念される核燃再処理工場の稼動は、食料自給率の低下を招きかねない事態であることが、大きな問題です。

〈請願項目〉
1 東村山市民の食の安全を確保するため、膨大な放射能を放出する青森県「六ヶ所核燃再処理工場」の稼働の見直しを求める意見書を内閣総理大臣及び経済産業大臣に提出してください。

紹介議員は佐藤真和議員(希)、福田かづこ議員(共)そして大塚恵美子(民ネ)
委員会では委員、請願者の前で請願文が副委員長により読み上げられた。

委員から「は六ヶ所核燃再処理工場のことや放射能汚染の話は聞いているが、大変なことだ。きちんと議論をするためにも関係資料を請願者から提出して欲しい!」
「共通資料が欲しい」
「アクティブ試験状況、国のスケジュールなど現状がどうなっているかの状況も知りたい」
「原発そのものの廃棄の問題をどうするのか。放射能による労災など認定されてきているが、国に出すのなら原発へのスタンスなど、基本的な考え方、意見を出して欲しい」
「放射能の量、被害想定、農海産物への被害予測などの資料」
「イギリス・セラフィールド、フランス・ラアーグなどの被害状況」
「劣化ウラン弾のこと」・・etcさまざまに意見が出された。

以上の資料提供がおそらく請願者に提出を依頼されることになると思われる。
委員会メンバーは議長:島田くに(公)、矢野穂積(草)、山川昌子(公)、田中富造(共)、肥沼茂男(自・自)、薄井政美(地)、木内徹(民ネ)

年を明けて、共通資料でしっかり審議されることに期待したい。

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