子どもの「生きづらさ」にどのように対応するのか>
① 今年に入り、清瀬市、狛江市で中学生の自殺があった。また江戸川区の児童虐待死事件など、子どもを廻る環境の変化とともに悲痛な状況がつづく。H18年12月議会では渡部市長が議員としていじめや不登校など子どもの「生きづらさ」について質問されている。毎月、学校適応状況調査を行なっていると思うが、市内の小中学校での不登校や、虐待が疑われる児童生徒数の推移、及び状況の把握について伺う。
② 当時の答弁では、不登校対策は最重点課題とのことだった。全中学校にはスクールカウンセラーが配置され、校内での相談やカウンセリングにあたっている。しかしながら、教育現場、学校だけでは対応が困難なケース、解決できない事例も多い。不登校の要因は複合化・多様化してきており、不登校の状態が長期化し、学校のみならずどの支援機関も関っていない子どもや、福祉的な支援を必要とする家庭環境に育つ子どももいる。関係機関連携、福祉や医療と連携をとる必要があるが、どのような対応をされてきたのか。
③ レインボープラン後期行動計画には「児童虐待防止ネットワークの形成」として、子ども家庭支援センターを中心とした児童相談所などの関係機関によるネットワーク化が謳われている。会議だけに終始してはいないか、具体的にどのような対応をされてきたのか。
④ 厳しい経済情勢下において教育費の負担が家計を圧迫するなど、家庭の環境によって、子どもの学ぶ権利まで危ぶまれる事例も多い。就学援助手続きなど充分な情報提供やコミュニケートがされているのか、対応を伺う。
⑤ 子どもの権利の救済が必要である。さまざまな理由から支援が必要な子どもたちへ、学校と家庭と関りのある関係機関と情報交換し、支援方針を確認しながら対応を図るためには、支援をコーディネートし、ケースワークを担う専門職が必要。学校にも社会福祉・児童福祉の視点が必要となっている。ソーシャルワーク機能の向上に早急に取組む必要がある。スクールソーシャルワークに対する見解を伺う。
⑥ スクールカウンセラーなど学校の範囲でのアプローチでは、環境を変えることはできず、状態の改善につながらない。不登校対策を進めるために、スクールソーシャルワーカーの設置や所管を超えた体制づくりの必要性が指摘されている。スクールカウンセラーは、カウンセリングという手法で子どもの心理面へのアプローチを行なうものだが、スクールソーシャルワークの考え方は、子どもの最善の利益をという視点を踏まえ、関係機関との連携で子どもが置かれている環境全体に働きかけを行ない、子どもが抱える課題を解決するという手法である。
2008年より文部科学省のスクールソーシャルワーカー活用事業が開始された。当初、国による全額補助で開始した取組みであり、スクールソーシャルワーカーについては、都内では昨年までに、4区11市が導入した。2010年度は、国、都の補助と区市の持ち出しで取組まれ、24区市が継続を含め導入している。スクールソーシャルワーカーの活用を提案したいが、当市において、導入を検討された経過はあるか伺う。
⑦ スクールソーシャルワーカーの重要性、必要性を痛感するが、子どもと対等に向かい合う目線や信頼を得る関係づくりが重要であり、大人の論理に立った受容の欺瞞では通用しない。人材育成、養成が不可欠だが、どのように捉えているか。
障害者の就労支援について>
① 昨年11月に障害者就労支援室が開設された。社会福祉法人・東京コロニーの就労支援コーディネーターと生活支援コーディネーターの2名が従事されている。一般就労に向けた面談や登録、就労先の拡充、就労、定着支援など半年の実績はどのように推移しているか伺う。
② 就労支援室開設の情報提供はどのように行なわれてきたのか。市内の作業所や特別支援学校に属さない障害者への周知はどのように図られたか。
③ 東京都は「10年後の東京」(H18年12月策定)において、障害者の3万人雇用増を目標に掲げている。当市における対象者の想定、および一般就労の目標値はどのようか。
④ 個別の支援計画はどのように立てられ、進められるのか。
⑤ 市内には、実績のある地域自立生活支援センター「るーと」や「ふれあいの郷」があるが、具体的な連携や協力はどのように図られているか。利用者の理解は得られているか。
⑥ 市内にある作業所、授産所などとの連携や就労支援はどのように行なわれているのか。共通の就労先開拓、企業、市民へのアピール、周知などを複合的にしかけることも可能ではないか、見解を伺う。
⑦ 特別支援学級、特別支援学校では、独自に開拓した企業や店舗で、職業訓練や就労体験を実施している。就労支援室との一般就労を視野に入れた情報共有、連携が必要と思うが、どのようにされていくのか。また、今年の特別支援学校卒業生への就労支援はどのように行なってきたのか、伺う。
⑧ 市の業務、市役所における障害者雇用率、雇用状況はどのようか。知的障害者、精神障害者の受入れなど、積極的な雇用を進めてきたか。
⑨ 東京都の「首都TOKYO障害者就労支援行動宣言」、「障害者雇用・就労促進連携プログラム2009」の50の掲載事業のうち、「就労支援ネットワーク強化・充実事業」や「職場実習ステップアップ事業」「東京ジョブコーチ支援事業の推進」などは1市単独では困難な事業を実質的に支援する機能となっているのか、また当市では何を活用していくのか。
⑩ 意欲と理解のある職員に恵まれ、今後の取組みが期待される就労支援室だが、当面の課題として、トレーニングの機能がないこと、コーディネーター2名では同行支援やジョブコーチに限界があり、マッチングや職場定着が懸念されるのでは。市が課題として把握していること、就労支援室の機能の充実、職員体制の増強などについてはどのように考えるのか、伺う。