大河原まさこ(民主党参議院議員)事務所ミニ講座

「これからの介護ビジョン」中長期を見据え介護制度を考える

 淑徳大学准教授:結城康博さんを講師に飯田橋の大河原事務所で勉強会が開催された。

50〜60人の参加者の半分以上はACT、たすけあいワーカーズをはじめ介護現場で働く人たちだった。 

 2000年から始まった介護保険制度導入で介護の社会化がスタートしたが、2006年の改正介護保険法の実施による「サービス抑制」「介護予防による介護保険サービスのカット」特養の待機待ちなど「需要と供給のアンバランスの拡大」「地域格差の拡大」「介護殺人」「高齢者の虐待」など課題が山積している。いっぽう麻生政権時におこなわれた介護報酬3%アップは多少の改善は期待できるが「介護人材不足」「離職率の改善」「低賃金化」などの問題は解決されていない。

 以上を前提に介護の現場で起きている問題を参加者から出してもらう形で学習会は進行した。
同居家族がいる場合の利用制限や、身体介護偏重主義などヘルパー利用の制限の問題など、自治体の判断に翻弄されている現場の声もあがる。最初はアバウトだった介護報酬も改正後非常に複雑になり、もっとシンプルにする必要がある・・との声も。さらに言えば高齢者が分かる制度にすべきという。もっともだ・・
結城さんは地域福祉の拠点ともいうべき「地域包括支援センター」のほとんどが民間委託化され公的機能の限界があるという。自治体で直轄でおこなうものも10のうち1や2はあっても良いと言う。
 また今の介護には金と家族が必要と。低所得者の場合の課題では特養の新設の場合でも4人部屋を作るべきと主張された。これは現状では新設の場合ユニットケア(個室)しか認められない事をさしている。ケアの質を大義名分に財務省の費用削減に利用されているという。個室と4人部屋を同時につくり値段で差をつけ、低所得者対策を考えるべき。もちろんケアには最善を尽くすべきという。

 現場の問題については具体的に現場から発信があり、それを一緒に考えるという勉強会だった。長期的に実行することと、今すぐにでも変えられることもあることを整理し、具体的にどのようにしているか各自治体の事例なども参加者から意見が飛び交った。結城さんからのメッセージ「介護現場からの発信が今こそ必要!」が一人ひとりに伝わる学習会だった。