プールには30センチほどの水が溜まり、うっすらと溜まった泥の中にヤゴがいるらしい。
「ヤゴはトンボの幼虫です。ヤゴを網ですくって白いプラ容器の中に入れてくださいね!その時、強く触ってはいけません。そーっと優しくさわってね!」と・・講師からの説明を子どももおとなも真剣に聞く。夏を目前にし、プール清掃の前のこの時期にヤゴを救出し、北山田んぼに放してあげるという。
サポートをするのは「北川かっぱの会」と「空堀川に清流をとりもどす会」のメンバー達。いつも川のこと、そこに棲む生き物達のことを大切に思い、守ってきた人達だ。
皆いっせいに、しかしそーっとプールに入り網でヤゴ救出作戦開始!おとなもこどもも、もう夢中!
次々にすくった網の泥の中からヤゴを見つけ出す子、すくっても、すくってもヤゴが見つからない子。ヤゴだけではなく、えさとなる糸ミミズもたくさんいる。まつも虫やこみず虫というのも一緒にすくわれる。子どもたちの笑顔がはじける。
1時間ほどのプールの中での格闘の後、見つけたヤゴを一箇所に集めて数えたら、なんと569匹!もいた。
このひっそりした25メータープールの中にこんなにたくさんの生き物が動き回っていたのかと驚く。
どの子も3匹ほどのヤゴを持ち帰り育て、7月始めに羽化してトンボになる瞬間をみるという。プールにこんな生きた教材が在ったんだと改めて驚く!北山公園の菖蒲田に放流したヤゴはトンボになってその後、近くの山で暮らすという。そしてしばらくしたらまたプールや田んぼに卵を産み付けに帰ってくるのだろう。
今回救出したヤゴは殆どがアキアカネという赤とんぼだそうだ。去年はシオカラトンボやショウジョウトンボもいたらしい。そんな観察をしているおとなたちがここにいることを、子どもたちはずっと覚えているに違いない。
<写真:上はプールに入る子どもたち。下はプラケース内のヤゴたち。北山田んぼにヤゴを放す子どもたち>