2R * リデユース(作らない)・リユース(くり返し使う)を促進する請願署名活動スタート

瓶の再使用(リユース)存続の危機

2Rを促進するキャラクター「ニアル君」
2Rを促進するキャラクター「ニアル君」
 1970年〜80年代に加速した大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会のあり方が良くないことに、多くの人が気づき、1990年代は大量廃棄社会を循環型社会に変える議論がおこなわれた。
中でもプラスチック容器が埋め立て処分場を圧迫したため、そのリサイクルが最優先課題としてとりあげられた。

「容器包装リサイクル法」(容リ法)はこうして1995年に制定された。その議論の中で①リデユース(作らない)・②リユース(繰り返し使う)・③リサイクル(別の形で再び使う)という3Rの優先課題を明確にした。しかし(容リ法)の中身の議論で「製造者責任を強化する」という部分が直前に日本経団連の反対により反故にされた。リデユース部分の手立てがないまま容器包装プラスチックのリサイクルだけは進んだ。その結果ペットボトルは1995年の4倍増の流通となり、ビンや缶の流通は減ってしまった。
特にビンは60%にまで落ち込む。プラスチック使用を減らさない限り大量廃棄社会にストップはかけられない。

先日2R促進請願署名活動のキックオフ集会が東京でおこなわれた。
現代は相変わらず「大量廃棄」が認められている社会だ!と講師の植田和弘氏(京都大学大学院経済学研究科教授)。
「大量廃棄」が「大量リサイクル」に変わり、その処分の受け皿は自治体(税金が投入されている)が担っているとも。プラスチックを使う人も、使わない人も均等に税金が使われる社会。現状、プラスチックの回収・処理費用の割合は85%が自治体(税金)、
15%が事業者だ。

また「してはいけないリサイクル」があるという。例えばペットボトル。
リサイクルの需要が中国にあるからといって、中国に売ってリサイクルするのはどうだろうか?エネルギーを使い、中国に運び、環境負荷をかけ、処理技術も知りえないリサイクルが良いとは思えない。

容リ法の最初の主旨であるリデユース・リユース(2R)の促進を法制化することが次の見直し時期に必用だ。
具体的には製造者責任の強化に転換することが必要。廃棄することを考えてモノを作るということが当たり前の社会にするということだ。
これが明確になるとビンのリユース、デポジット制度は有効なしくみとして評価され、再び活性化する。
このままではビンのリユースに携わる「洗瓶業者」が無くなるのは目に見えている。一度無くなったものを作ることは大変なこと。
半減した洗瓶業者だが、生協などリユースに取り組む組合員の力がかろうじて歯止めをかけられる。行動する人々の力が必要だ。

容器包装リサイクル法を改正し、リデユース・リユースを促進する国会請願署名に一緒に取り組みましょう。