3月議会・大塚恵美子の一般質問  

緑の確保に向けて農地を活かす具体策を(その1)

第3次総合計画、策定過程にある第4次総合計画のいずれの将来都市像にも「みどり」が使われるがイメージが先行し、既存のみどりを残す、どう保全するかのビジョンに乏しく、減少に歯止めがかけられていない。農地を「みどり」と位置づけるための具体策を問う。
① 都市農業の存続、農地の保全には相続税と後継者の課題が大きいが、都市における農地の評価やまちづくりにおける位置づけが不明確であることも、減少をくい止められない要因ではないだろうか。昨年の諏訪町田んぼの宅地化の事例にみるように、農地を緑の資源として確保するためには、「緑の保護と育成の条例」や「緑の基本計画」、「都市マスタープラン」に謳われているだけでは実効性がない。「緑として保全する」具体策として新たなルールやシステムの構築、受け皿の確保が必要だ。市長は「農地保全は新たな政策観点になると思う」と認められたが、公有地化の基準や目的、公有地化した時の活用、民有地のまま農地として持続できる施策化など、所管を超えた新たな議論や検討はどこでどのように進展していくのか伺う。

→公有地化の目的は都・市の施設の敷地になるかどうかなどの判断。みどりと環境課では保存樹林地を以後樹林地としていく。農地は公有地化後の活用は農の視点から基準づくりが課題。民有地の公有地化は目的が必要。相続税の件で要望書を出している。後継者が生活をしていけるものとして花卉・果樹はある。学校給食への納入、体験農園など農業振興策を考えたい。保存樹林は一定の目的でおこなっているので情報の共有化は緑化審議会、みどりと環境課との共有のしくみを考えたい。

② H20年6月議会の一般質問で「農業振興計画」の中間評価等についてお聞きしたが、新たな計画策定にあたり、どのようなビジョンに基づき実効性ある取組みがされるのか注目したい。H11年に実施された懇談会、現況調査や意向調査があるが、10年が経過し、新たな計画策定に向け当事者の課題やニーズの聞き取りが必要だ。進め方と策定スケジュールについて伺う。

→新たな計画策定に当たり柱としてあげているのは1、生産基盤の安定。2、経営の安定。3、交流の場の創出。食の安全や自給率低下のなかで益々厳しい状況である。今後農業振興委員会策定委員会で6回おこなう。生産者へのアンケートや経営の強化など検討。
4月にはコンサルを選定。23年1月までに策定する。

③ 「緑確保の総合的な方針(案)」では確保地、確保候補地として市内の樹林地が挙げられているが、具体的な施策展開はどのように進められるのか

→北山、多摩湖の樹林地を公園緑地としたい

④ 市長は昨年「税制と農業の振興を二本柱として農地を守っていくことに努力していく必要がある」と環境建設委員会で応えられ、産業振興との連携や位置づけなどが期待されるが、どのような施策を描かれているのか伺う。

→みどりにおいて多面的な機能としての農地ととらえ、切り離せないと認識。維持については38自治体で国に要望を提出。新政権では生産緑地法の都市農業の見直しをすると聞いている。法改正にあわせ、重要性を訴えたい。H22年は国の補助事業を活用。認定農業者への独自支援をする予定。魅力ある農業経営として加工品の開発、関係者団体の理解を得るようにしたい。

⑤ 9件の専業農家と320件の兼業農家のニーズの違いを認識した支援策が必要だが、どのように考えるか伺う。

→専業・兼業を分けてはいない。国都の支援、認定農業者にむけて支援していく。

⑥ 農業者からは援農のニーズが高いが「ふれあい援農ボランティア」講座だけでは定着が見込めない。会員組織の援農ボランティアを含め作り手と食べ手を結ぶコーディネートのしくみづくりを学芸大の学生が市長に政策提案したが、どのように受け止められたか。市民との協働として機能させるためには何が必要と思われるか伺う。

→援農ボランテイアなど人手の確保は重要。養成講座や都の「青空塾事業」を受け農家に派遣した人が73名いる。がボランテイアとして継続されない方も多くいる。JAとの連携を密にとり、ボランテイアの周知を図っている。デザインゼミの提言も参考にし、考えたい。