緊急シンポジウム「いのちの海を埋め立てないで!」

瀬戸内・長島の海から自然との共生を考える 集会

新作上映の紹介をする鎌仲ひとみ監督
新作上映の紹介をする鎌仲ひとみ監督
先日お茶の水・明治大学駿河台キャンパスで上関原発どうするネット主催の緊急シンポジュウムがあった。

 開場では以前、東村山での「六ヶ所村ラプソデイー」上映時にもいらしてくれた鎌仲ひとみ監督がその後の六ヶ所村の状況報告をしてくれた。
六ヶ所村の核燃再処理工場は本格稼動に向けた最終段階で大事故をおこし、プランクトンの放射能レベルは3年前の83倍、食品で16倍、沖合いの海域では6倍のレベルとなっているとのことだった。
核燃再処理工場稼動反対の声は映画を作っていた当時は村でも少数派だったが、この状況を受け、今明らかに村の状況が変わってきているのを肌で感じたと言う。

鎌仲監督は1998年取材でイラクに行って白血病を発症した子どもたちを知る。原因は劣化ウラン弾によって被爆したことによる。
原子力発電の遺物とも言える、大量の劣化ウランで作られる兵器「劣化ウラン弾」を使うことの悪に思い至ったと言う。

日本にある55基の原発からは年160t/基の劣化ウランが生み出されるという。ドイツでは原発周辺5km以内の小児白血病は通常の倍である。日本は調査さえしていない。なんとリスクの大きなエネルギーであることか。
デンマークは自然エネルギー100%
スエーデンも10基ある原発に依存しないようにしたいと言い、2020年には脱石油も目指していると言う。また地域ごとに自分たちの資源でエネルギー自活しようと言う試みがある。

鎌仲監督の新作「みつばちの羽音と地球の回転」はそんな各地の取り組みを紹介している。みつばちは持続可能性の象徴。小さな小さなみつばちの羽音が自然エネルギーを象徴?し、やっと少しづつみんなの耳に届いて来たんじゃない!!・・という思いを一杯込めた映画だ。

折しも今年は日本が議長国となり開催される10回目の生物多様性条約国会議「COP10」が、10月に愛知県で開催される。
生物多様性条約とは多様な生き物や生息環境を守り、その恵みを将来にわたって利用するために結ばれた条約。

高速増殖炉「もんじゅ」が14.5年ぶりに運転再開されたが、たった1週間で装置故障、トラブルの公表遅れ、制御棒操作ミスなどが頻発し検証する事態となっている。元々人間が管理できないものより日本に多様にある生物の循環を資源とする新たなエネルギーへの転換が必要ではないか。            (和田)