子どもにやさしいまちづくり

子どもの権利条例東京市民フォーラムのつどい

日本は、1994年に「子どもの権利条約」に批准しています。しかしながら、子どもたちの日々の現実は、いじめや自死、虐待、犯罪被害、回転ドアやシュレッダーでの指切断の事故被害など、深刻な事態の枚挙に暇がありません。社会構造の変化によって従来では想定されなかった状況にさらされ続け、安心して生きる権利があまりにもないがしろにされています。子ども自身が自己を形成して育つ力を蓄えるような機会も減少しています。

ユニセフは、子どもの権利条約を実施・普及していく上で、地域、自治体が取り組み、発信していく具体的方策として「子どもにやさしいまちづくり」を提唱しています。第6回目の今回のつどいでは、前ノルウェイ子どもオンブズマンのトロンド・ヴォーゲさん(ユニセフ「子どもにやさしいまち」国際事務局イノチェンティ研究所)と子どもの権利の実現に取組む自治体から西東京市長を迎え、フォーラム事務局長の森田明美さん(東洋大教授)を中心に、自治体がめざす権利保障や救済のあり方など現状を打開する取り組みについて有意義な語り合いとなりました。
ヴォーゲさんは、都市の拡大と分権が進行する背景において、助けと援助を求めている子どもの成長発達への準備がないことを指摘され、子どもは、まちにとって「支出」ではなく「投資」の対象であることを強調されました。子どもの権利の視点として「保護」「提供」「参加」の中で、まちづくりやさまざまな計画の意思決定プロセスへの子どもの参加が子どもにやさしいまちづくりのための重要な要素であることを熱く語られました。

子どもを信じることは、未来を信じること、というヴォーゲさんの言葉は、自治体にとって、子どもにやさしいまちは誰もが生きることに希望がもてる持続可能なまちづくりに通じることを再確認しました。

終了後、ヴォーゲさん、森田明美さんとご一緒に写真を撮りましたが、ヴォーゲさんのカラフルなネクタイに注目を!SAVE THE CHILDREN(NGO)の楽しい絵柄です。
政策担当 大塚惠美子