生活者ネットの政策は地域の調査・ひとり一人の意見から

出産前からの子育て・子育ちの早急な支援を

「女性は産む装置や機械」ではありません。女性ががんばるしかない少子化対策など笑うに笑えないほど滑稽なだけです。
厚労相にとっては、経済への貢献度としてしか数えられない女性・子どもでありそこには人権意識のかけらも無い、何ともおそまつな発言でした。

そんな国の少子化対策のもと、我が市では次世代育成のための行動計画が市民参加で作られました。初めて接する赤ちゃんが、「わが子」という母親や父親が増えるなか、見落とされがちな出産前からの子育て・子育ちへの早急な支援が望まれます。出産現場・女性の身体・ファミリープランのプロである助産師との連携を強くし、身近な地域で温かな見守りを含めたサポートが受けられることが必要です。

身近に出産できる施設が無い 
分娩に関わる施設の減少や産科医不足が全国的に危惧されています。自治体も様々な取り組みを展開していますが、少子化の影響を受け産院は厳しい経営を強いられています。
 東村山市では農地の宅地化で若い世代が多く転入していますが、産科は個人産院と助産院、合わせて2か所です。2004年には多くの出産を支えてきた中規模病院が突然産科を閉め、多くの妊婦が転院を余儀なくされました。そのため他市での出産が多く、産前・産後を通じて父母と子を支える機能が不足しているのが現状です。

今何が求められているか
2006年4月から市民とともに出産情報紙作成にむけた「市民がつくる産むナビ作成委員会」を立ち上げ、近隣市を含めた産科への調査をおこないました。調査からは個人産婦人科は看板を掲げつつも、医師の高齢化により「産科は健診のみ」が多く、地域に若い産科医の不足が伺えました。それに比べ、助産院では女性がいきいきと活躍しているのが印象的でした。    
生活者ネットが開催したワークショップでは「初産の時は、何が必要な情報なのか分からない」「第2子の出産時、上の子の対応に苦慮した」「出産に能動的に向き合うための情報が欲しい」「出産や子育てを『産婆さん』として身近で支えてきた助産師が、病院へ吸収され存在感が薄くなり、地域から消えかかっている」などの声があがりました。

調査から見えた子育て支援の具体策
①両親がともに赤ちゃんを迎えるための出産前からの教育の充実
②「自分らしい出産」を選択できる情報公開と情報提供
③産前・産後を通じ、母子と家族をともに暖かくケアする助産師との連携を身近にすることで、ニュージーランドの*ミッドワイフのように周産期を通した仕組みづくりなどの実現
生活者ネットは地域で「産み・育てる」を支えることを形にします。

*ニュージーランドのミッドワイフ
ドクター主導の日本のシステムに対し、助産師主導のシステムになっている。妊娠から出産、そして産後まで、精神面でのケアも含め対応する。